田原総一朗「震災被害を『創造』につなげる東北の姿に注目せよ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「震災被害を『創造』につなげる東北の姿に注目せよ」

連載「ギロン堂」

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風評が、買いたたきの材料に…

風評が、買いたたきの材料に…

 ジャーナリストの田原総一朗氏が、東日本大震災で多大な被害を受けた福島について、こう主張する。

*  *  *
 福島はいつまでもカタカナの「フクシマ」でよいのか、と、あらためて考えさせられた。

 福島県の二本松で、日本青年会議所(JC)東北地区協議会主催のシンポジウムに出席してのことだ。テーマは「夢と希望に満ちた東北にする」であった。

 もちろん、東北地方は2011年の3.11の大震災で深刻な打撃を受けた。地震、津波、そして東京電力福島第一原発の重大な事故。特に福島では、放射能被害で住んでいた町や村に帰れない人々が10万人以上いる。直接、間接的に原発事故の被害を受けている人はおびただしい。

 だが、福島の人々の発言を聞いていて、私は冒頭に記した気持ちになったのである。

 東京のマスメディアは、とかく福島の悲惨さを強調する。原発事故の被害を大きく報じ、福島の悲惨さを報じるのがジャーナリズムのあるべき姿だと考えているのだ。

 だが、実は除染は確実に進んでいるし、農産物は米を含めてすべて検査をしているのだが、検査ではじかれるものはなくなった。生産量も回復している。だが、問題は値段が回復しないことだ。福島の農産物は放射能で汚染されているという風評が、買いたたきの材料になっているのだ。福島の悲惨さを報じるマスメディアが、風評被害を高める役割を演じているのである。

 パネリストの一人が、まったく原発事故の影響のない会津に、修学旅行生が戻ってきていないことを嘆いた。「福島県だから」ということで敬遠されているようだ。


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