和田:おっしゃるとおり。「男前じゃなくても、医学部に受かったら彼女ができる、良いことがある」と持っていったほうが良い。恋愛だけじゃなく、いいものは努力して勝ち得るほうが人を成長させます。実際、医学部に行けばモテます(笑)。

 ただ、恋愛より怖いのはスマホです。依存症になりやすく、睡眠時間も削られる。大学合格まではガラケーにして、家に帰ったら取り上げるくらいにしたほうがいいと思っています。

友澤:恋愛もスマホも厳しい姿勢で臨まなければなりませんね。では、会場の皆さんから質問を。

Q:海外で数年間過ごして帰国し、子どもはいま小学生です。英語を忘れない動機付けのために「英語ができれば大丈夫」と言い聞かせてきたところ、それ以外の教科に身が入りません。

佐藤:その考え方は間違っています。英語はこれからの時代に必要です。けれど重要なのは、歴史や文学、野に咲く花や美しい歌を知った上で英語を話すことです。国語、社会、理科の勉強をきちんとして、中身のある英語を使うことを目指しましょう。

Q:大学受験時の願書や医学部の志望理由書は、どこまでサポートしましたか?

佐藤:親が書いて、子どもに清書させればいいんです。わが家では、東大の願書が届いたら、まずコピーして、私が赤ペンで必要箇所を書き込んで「見本」を作成していました。子どもは写すだけです。11月や12月といった受験前に時間を取られるのはもったいないです。

 受験は、「ここに入りたいなー」と漠然と思っていてもダメ。親子ともども腹をくくって、合格まで必死で走ることが大切です。

週刊朝日 2015年9月18日号より抜粋