夜遅い時間にスマホばかり見ていると…(※イメージ)
夜遅い時間にスマホばかり見ていると…(※イメージ)

 男性更年期障害は多くの症状に悩まされるほか、さまざまな病気のリスクになることがわかってきている。そこでメンズヘルス外来を開設し、男性更年期障害に詳しい順天堂大学順天堂医院泌尿器科教授の堀江重郎医師に話を聞いた。

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 男性ホルモンの主な構成成分がテストステロンです。テストステロンは、男性の性機能を維持し、筋肉の量や強度を保ち、骨をつくる働きがあります。さらに血管の弾力性を維持したり、脂質代謝を高めたりする役割もあります。このためテストステロンの減少は、ED、骨粗鬆(そしょう)症、動脈硬化、糖尿病、肥満のリスクになるのです。

 また、テストステロンはストレスへの耐性を高める作用もあり、減少することでストレスに弱くなるため、うつ病になるリスクも高まります。実際にうつ病の人を調べるとテストステロンの平均値が低い傾向があります。

 さらに寿命との関連も指摘されており、テストステロンの値が高い人のほうが長生きするというデータもあります。

 ホルモン補充療法によってこうした病気のリスクが下がるかどうかは明らかになっていませんが、糖尿病患者でテストステロン値が低い人にホルモン補充をすると経過が良好だったという研究もあります。

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