株式アナリストの今北洋さん(37)は某IT企業に投資していた3千万円を引き揚げた。次の投資への元手にするためだ。

 狙うは富士重工、新日鉄住金、ラオックス、沖電気、ブライダルジュエリー事業を手掛けるシーマだ。

 富士重工は原油安の影響で自動車販売が好調。新日鉄住金は業績の割に、株価が下がりすぎと見る。ラオックスはインバウンド需要が期待でき、沖電気は中国でのATM設置でもうけている。

「中国株が低迷しても銀座には観光客があふれていますし、ラオックスは業績が良いので株価は上がると見ています。また中国の成長率が低迷しても、ATMなどのインフラ需要が減ることはないでしょう」(今北さん)

 シーマは8月27日、16年3月期の連結業績見通しを上方修正して市場の注目を集めた。同社は14年10~12月期に黒字転換し、3四半期連続の黒字となっている。

「一般的に、黒字に転換したのち3四半期連続黒字となると投資家の信頼を得て株価は上昇しやすい」(同)

 手だれの投資法にのるかどうかは、あなた次第。

(本誌取材班=村田くみ、西岡千史、小泉耕平、永野原梨香)

週刊朝日 2015年9月11日号