中国の経済減速 リーマンショックより影響少ない? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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中国の経済減速 リーマンショックより影響少ない?

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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週刊朝日#中国
8月25日、日経平均は6カ月ぶりに1万8千円を下回った (c)朝日新聞社 

8月25日、日経平均は6カ月ぶりに1万8千円を下回った (c)朝日新聞社 

 先々週末から先週はじめに世界中のマーケットが大揺れした。またまた中国経済減速懸念だ。中国を起因とする金融危機は世界に連鎖するはずがない。中国は為替のペッグ制(固定相場制のひとつ)を維持するために資本規制をしているからだ。中国人は外国の金融商品を自由に買えないし、日本人をはじめとする外国人は人民元を自由に購入できない。だからリーマンショック時に米国で起きたような大量の資本移動は起こらない。

 もちろん中国を相手にする企業の業績悪化懸念が株価を下押しするだろうし、中国の需要減による石油価格の下落、それによる資源国経済の減速も考えられる。しかし、実体経済の悪化は、金融危機の連鎖ほど怖いものではない。

 今回、一番肝を冷やしたのは、各国中央銀行ではなかろうか。普通なら利下げをするのだが、ゼロ金利では下げようがない。量的緩和は「大きいハンドルの遊び」と同じで、危機に対して即効性がない。米国の利上げが遅れるという説もあるが、早めに利上げをして、危機対策用の「利下げ」という武器を持ちたいと痛感したとも考えられる。

 また、ドルが急落した際には、政府・日銀は「ドル買い・円売り」介入をするべきだ。急激な円高防止の意味もあるが、それ以上に外貨準備のドルを積み上げるチャンスだからだ。私の予想する日本の危機のとき、個人であろうが国であろうが、ドルを大量保有していれば生き延びられる。

週刊朝日  2015年9月11日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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