そして、スタジオでは徳さんこと徳光和夫も、もらい泣きってのが定番だったけど、今思えば番組名が「ウルルン」なんだから、最初から泣くこと決まってたのか、そうなのか?
それは、旅行先で外国人に親切にされることのありがたさ、交流を深めることの特別感がクローズアップされた時代。
近頃は、「YOUは……」の後追いで、やたらと日本にやって来た外国人に密着して、何買っただの、何食べただのって番組が多い。中国人旅行客の爆買いとか、何度やるんだってくらい。
なんかこう、物欲しげな番組作りなんですよ。日本製品の素晴らしさとか、おもてなしとか、日本に住んでるから気づかなかった日本の良いところとかね。改めて、外国人の口から言ってほしい!みたいな。
そんな「ほめられたい日本人」の番組と違って、「YOUは……」の行き当たりばったり感が心地よい。ひたすら空港に立ち続けて、キャラの鉱脈を掘り当てる博打感。
MCのバナナマンの服だってCGというお安さが、クールジャパンなんてーのから程遠くて、おもてなしってそれくらい普段着でいんじゃないかと思うのだ。
※週刊朝日 2015年9月4日号