1年後には政局が起こる──。石破氏は今後も積極的に地方を回り、保守層にアピールしていくという。課題は、前回総裁選の敗因ともなった国会議員票の広がりだ。一度離党しているだけに、やっかみも多い。

 今月初め、若手衆院議員同士の結婚パーティーに出席して祝辞を述べたが、地方選出の若手と交流を深め、活路を見いだしていく。

「総裁選はベテランも若手も同じ1票が割り当てられている。ならば若手に支持を広げたほうがいい」(石破派の関係者)

 一方の野田氏。強みは女性からの人気だ。6月下旬、東京都港区のフレンチレストランに約15人の女性国会議員を招き、女子会を開催した。ライフワークの男女共同参画などの政策をアツく語ったという。費用30万円は野田氏もち。国会議員歴が自分よりも1年長く、先輩格の小池百合子元防衛相の存在が最近薄いだけに、「女性初の総裁候補」の地歩を固めたいところだ。

「参院議員の人脈が薄いのが弱点。そこは元夫の鶴保庸介氏の力も借り、強化していく」(野田氏の側近)

 9月1日には自身の政治資金パーティーがあり、総裁選への態度表明に注目が集まる。側近の話などを総合すると、今回の総裁選出馬は見送るが、「捲土重来を期す」と述べて、将来的な意欲を見せると思われる。

 ただ安倍自民党が参院選で善戦すれば、当然、首相続投となり、2人の思惑は「絵に描いた」に終わる。

週刊朝日 2015年9月4日号より抜粋