そんな頼もしい伴侶を得た澤選手の次なる大きな目標は、来年夏のリオデジャネイロ五輪。前回ロンドンでは銀メダルだっただけに、雪辱に燃えている。

 ただ気になるのはケガ。7月5日のW杯決勝で左ひざを負傷し、帰国後の「なでしこリーグ」も4試合欠場している。復帰は9月5日の見通し。翌6日に37歳となる年齢も気になる。来年2月に五輪アジア最終予選が始まるが、ベストの状態で臨めるのか?

 元日本代表でサッカー解説者の川上直子氏(37)は「ケガは逆にいい休養になった」と指摘する。

「W杯は途中出場が多かったとはいえ、疲労は相当あったと思います。ケガによる欠場は、逆にプラスと考えることもできる。完治すればグッと調子を上げていくでしょう。結婚で注目が集まりますが、澤選手はそれで燃えるタイプ。得点に絡む嗅覚(きゅうかく)や、ピンチの芽を摘む能力はチームの大きな武器だし、衰えも見られない。5度目となる五輪は集大成として、最高の力を発揮してくれるでしょう」

 女子選手の結婚後の五輪金となれば、柔道の谷亮子(旧姓田村)、レスリング女子の小原日登美(旧姓坂本)以来となる。数々の偉業を成し遂げたレジェンドなら、期待できそうだ。

週刊朝日 2015年8月28日号