道具と同様、プロゴルフで欠かせないのがキャディーの存在。その“相棒”の人選が大切だとプロゴルファー・丸山茂樹氏は語る。

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 お騒がせ男が、またやっちゃいましたね。

 米PGAツアーの「RBCカナディアン・オープン」(7月23~26日、カナダ・グレンアビーGC)の初日のことです。ロバート・アレンビー(44)=豪州=が、ラウンド中にキャディーをクビにしちゃいました。

 13番パー5の4打目を巡って意見が食い違ったのが事の発端だそうです。残り150ヤード。アレンビーが7番アイアンで打とうと思っていると、キャディーは8番アイアンを勧めた。

 助言に従って8番アイアンで打つと、ショートしてグリーン手前のクリークへ。結局このホールはトリプルボギーでした。アレンビーは激高して、キャディーを帰らせました。この日は81で9オーバー。その後、競技を棄権しました。

 選手とキャディーの大げんかは、アメリカではよくあるんです。とてもここには書けないような言葉で言い争いをしたあげく、キャディーがゴルフバッグを放り投げて帰っていったのも見たことがあります。日本ではそういういざこざは見たことないですけどね。

 もともとアレンビーは短気な男なんですよ。家庭の問題とかシード権を失ったりだとかいろいろあって、さらに今年1月のソニー・オープンのときにハワイで誘拐されて暴行されたり。なんだか不運が重なってまして。僕が「ああ、すごく仲がいいんだな」と見てた奥さんとも離婚しちゃいましたし。そういう私生活のストレスもあったんじゃないですかね。

 
 私生活のダメージがプレーに出る人とまったく出ない人、両極端ですね。僕なんかは家で何かあっても、プレーにはまったく影響ないタイプですね。

 まあ、キャディーの人選も大事です。少々のことは「しょうがねえな」って受け入れてくれる人がいい。口を出しすぎる人は、めんどくさいですね。僕は明るい人がいい。暗くて反応が薄い人って苦手です。何を考えてるのか分からないのが、一番困ります。

 ここでお知らせがあります。「第9回丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」を10月3日、栃木・ファイブエイトGCで開催することが決まりました!

 8月31日まで応募を受け付けていますので、小学5年から高校3年までのラウンド・試合経験のある男子、女子のみなさん、マルジュニアのホームページ(https://www.maru-junior.com/)をご覧になって、申し込んでください。

 今回は男女ともプロの試合につながる道筋があります。中学・高校男子の部の最優秀選手1名は、男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップ」(10月29日~11月1日、兵庫・ABCGC)のマンデートーナメントに出場できます。

 そして中学女子、高校女子の部それぞれの最優秀選手1名は、「樋口久子Pontaレディス」(10月30日~11月1日、埼玉・武蔵丘GC)のマンデートーナメントに出られることになりました。

 いろんな人のご協力があって、「回を重ねるごとに充実したものになればいいな」と思ってたのが現実になりつつあります。10回目の次回は、さらに盛大にやりたいと思ってますし、やりがいがありますね。

週刊朝日 2015年8月14日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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