「週刊朝日に告発があり、ガラクタの一部を自分で掘り出した。福島県警や田村市は私が埋めたと勝手なことを言っていた。だが、福島県警の捜索状況からも除染のときに埋められたのは明らか。私が使用していた脚立やタイヤも出てきた。使っているものを埋めるような人、いませんからね」

 今回の捜索には、過去とは違い、警察や市役所の関係者ではない人物が立ち会っていた。なぜか頭にタオルを巻き、顔をマスクで覆う不思議な格好。ガラクタが掘り出されると、その人物が呼ばれ、「これ埋めたの?」と確認が繰り返され、写真が撮影される。

 Aさんが捜査員に聞いたところ、

「私の家を除染したときの責任者と説明があった。私の家に置いていたものだけではなく、他からのガラクタまで持ってきて埋めたと言っていました。私はこの人物が“犯人”だと確信している」

 Aさんの弁護士は「放射性物質汚染対処特措法違反や廃棄物処理法違反の可能性が高い」と指摘する。福島県警の捜査員は、

「状況から見ても、誰かがそう遠くないときに埋めたのでしょう。今は関係者を聴取。今日、掘り出されたものを精査して捜査する」

 この日の捜索を見ている限り、放射線量の計測はされていなかった。Aさんが自ら線量計で庭やガラクタを計測したところ、高いもので、毎時0.3マイクロシーベルトというものもあった。

 放射性物質に汚染されていた可能性があるガラクタなどが埋められ、2年も放置されたまま。

「除染は税金で行われている。それがこんないい加減なことでは許されない。一日も早く、警察や行政にはきちんと対応してほしい」

 警察、行政の無責任な対応に怒り心頭だった。

週刊朝日 2015年8月7日号