室井佑月「安保についたケチをちゃらにしようってか」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「安保についたケチをちゃらにしようってか」

連載「しがみつく女」

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強行採決に異議!

強行採決に異議!

 ほかのメディアは言い訳程度に扱ったくらい。安保の問題と、新国立競技場の問題を、一緒くたに放送したりした。

 あたしが驚いたのは、日本スポーツ振興センター(JSC)が、政府が安保法案を強行採決した翌日の16日午前から、新国立競技場のデザイン選考で審査委員会の委員長を務めた建築家、安藤忠雄氏の会見を入れて来たことだ。

 会見で安藤氏は、「なぜあんな金額(2520億円)になったかわからない」としながらも、あくまでザハ案を推した。

 となると、国民の8割以上が反対しているバブリーなザハ案推しは、森喜朗氏と安藤忠雄氏と石原慎太郎氏くらい。石原さんは政界を引退したわけだから、残りは森さんと安藤さん。いかにもな悪役だ。

 安倍さんがこの二人を外し、「見事な決断」というシナリオか。それで安保でついたケチをちゃらにしようってか。

 森さんは安倍さんの親分だし、安倍さんは野党から新国立競技場について質問されても、ずっと、

「今から手直ししていると2020年のオリンピックに間に合わない」

 そう誤魔化してきた人なんだけどね。

 案の定、17日付の安倍さん応援新聞、読売新聞に、

「新国立競技場 首相、変更不可避と判断」

 という記事が載っていた。

 なんだかなぁ、もう。それに、テレビで安保法案を少しでも扱うなら、今揉めているのは他国を武力で守る条件についてなどであって、愛国心云々をただ熱く語るだけの人をコメンテーターに呼ぶのはやめてほしい。誤解が広がるから。

週刊朝日 2015年8月7日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中。

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