治療は爪が生え変わるまで1年~1年半かかりますが、白癬菌が中途半端に残っていると再発しますので、しっかり治療することが大切です。また、治療前に履いていた靴やバスマット類をそのまま使えば再発してしまいます。

 爪白癬の患者さんには100%足水虫があり、治さないままだと10年程度で爪白癬になります。ですから、水虫の予防が爪白癬予防になるのです。水虫についての誤解は多く、たとえば、白癬菌が皮膚の表面にあるうちは、かゆみなどの症状はほとんどありません。また、水虫は白癬菌が皮膚についてから約24時間で発症しますが、足を軽石や垢すり用のナイロンタオルなどでごしごし洗うと、皮膚の小さな傷から菌が入りやすくなり、半分程度の時間で発症します。つまり、清潔志向が強くごしごし洗う人ほど水虫のリスクは上がります。

 予防のポイントは、足を洗って菌を洗い流したあと、十分に乾かすことです。出勤前のシャワーや公衆浴場に入った後、急いで靴下をはくと、季節を問わず水虫ができやすいので注意してください。

週刊朝日 2015年7月31日号