さらに、自宅を賃貸物件として市場に出す方法もあるが、

「慎重になるべきだ」

 と長嶋さんは忠告する。

「地域の賃貸ニーズを確かめてから決めること。リフォームして貸す場合は、費用を何年で回収できるか。将来の賃貸住宅事情まで考える必要があります。賃貸住宅は“経営”なんです」(同)

 新たな住まいを選ぶ際にも、ポイントがある。住み替えや空き家問題に詳しい不動産コンサルタントの牧野知弘さん(オフィス・牧野)は、

「今は都心でも駅の近くに、空きマンションがたくさんある。築年数の古い物件なら月数万円ほどで住めます」

 と、賃貸という選択肢もすすめる。

◇おひとりさまシニア ダウンサイジング成功への7カ条
その1:持ち家を売る場合は、業者買い取りを避ける
その2:持ち家を貸す場合は、需要や採算をしっかり精査
その3:購入資金は資産の5~6割。全部つぎ込まない
その4:経済的、肉体的にも早ければ早いほうがいい
その5:60代から有料老人ホームも選択肢に入れる
その6:購入は必須ではない。賃貸マンションも視野に
その7:子どもがいる場合、家の処分話は親のほうから
(専門家への取材をもとに編集部で作成)

週刊朝日 2015年7月24日号より抜粋