病気が隠れていることも…
病気が隠れていることも…

 誰にも聞けないことの一つでもある「おなら」。生理現象の一つだが、ストレスとの関係が指摘され、回数の多さやにおいの程度によっては、さまざまな病気が隠れていることもある。最近は直接、おならの悩みを相談できる病院も増えつつある。

 おならで悩んでいる患者の中には原因不明のケースも多くある。

 広島県に住む主婦の金重美智子さん(仮名・43歳)は高校生のころから20年以上、おならのにおいに悩んでいた。生活に支障をきたすほどではなかったため、特に病院などを受診していなかったが、あるとき、職場で同僚が自分のほうを頻繁に振り返るようになった。

「もしかしたら、自然と、おならが漏れているのかもしれない」

 その瞬間から自分のおならのにおいが気になり、職場に行くことさえ怖くなった。治療のために、消化器内科や精神科をまわったが、消化器内科では原因不明といわれ、精神科では抗うつ剤を処方された。言われるがままに、金重さんは抗うつ剤を飲み続けていたが、日中は眠くなるばかりで症状は一向に改善することはなかった。

 そんな折、テレビの番組でおなら治療で有名な広島大学病院感染症科教授の大毛宏喜医師を見かけ、受診することを決めた。

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