「問題は意図があったかではなく、逮捕されたという事実。コンプライアンスの対外的な責任者である広報担当役員が逮捕されたのに、事態を重く受け止めていないようなメッセージになってしまった。『お友達内閣』と言われた第1次安倍政権で、不祥事を起こした閣僚をかばった安倍晋三首相を連想しました」

 東京商工リサーチの友田信男情報本部長の評価も厳しい。

「『あくまで個人の犯罪』と説明すべきだった。ハンプ容疑者が有罪となった場合、『会社ぐるみでかばっていた』と思われかねない」

 間の悪いことに、24日にトヨタが公表した有価証券報告書から、章男社長に前年度を約1億2千万円上回る3億5200万円の報酬が支払われたことが報道された。配当金との合計では約12億7千万円となり、日産自動車のカルロス・ゴーンCEOの約11億4千万円をも上回った。

 好調な業績の反映とはいえ、「おごり」が今回の綻びにつながった可能性はないのか。

「他国と比べて極めて閉鎖的だった日本の自動車業界で、いち早くグローバル化を目指した人事自体は画期的だった。この失敗も今後の糧になるのでは」(友田氏)

 コンプライアンスも、カイゼン方式で復活を!?

週刊朝日 2015年7月10日号