死ぬ瞬間を本人はわかっているのか 医師・帯津良一の意見 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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死ぬ瞬間を本人はわかっているのか 医師・帯津良一の意見

連載「貝原益軒 養生訓」

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週刊朝日
伊藤比呂美さん(左)と帯津良一さん(撮影/写真部・松永卓也)

伊藤比呂美さん(左)と帯津良一さん(撮影/写真部・松永卓也)

先生! どうやって死んだらいいですか?

山折哲雄、伊藤比呂美著

978-4163900162

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帯:うーん。瞬間といっても。ずっと移行していくわけだから。呼吸が止まって、心臓が止まる、瞳孔が開く、これはあまり大事じゃない。そこを通過してどうなるかです。

伊:その瞬間っていうのは、本人はわかっているものですか。

帯:本人も、だんだん意識がなくなってくるわけですから、最後のところはわかっていない。

伊:例えば、心臓病でぎゅっとなったときでも、死ぬ瞬間は本人は意識していませんか。

帯:意識していませんね。

伊:じゃあ銃で撃たれたときは。

帯:撃たれたときも、自分が死ぬっていう感覚じゃないですね。「あっ、いたい」。それで意識を失う。

伊:切られて死ぬときは。

帯:切られて死ぬときも、意識失うだけだと思うんですよ。血圧が下がるし。

 ところが、夏目漱石は一瞬で死んでも、その最後の一瞬にわが人生が全部出てくるというんですよ。「あっ」の何分の一の間に一気に、わっと出てくる。漱石は死後の世界を信じていましたから。死んで初めて本当の自分に帰れるのだと書簡集に書いてありますよ。私も死後の世界はあると思うほうなんですが、伊藤さんはどうですか。

伊:来世はわかんない。仏教に関心を持って、はまればはまるほど、どうでもよくなってくるんです。死んだあとのことも死ぬこともどうでもいい。だから親の供養とか法事とかまったく興味ないんです。何もしていない。

帯:ここでいろいろな人と対談したでしょう。男の人は死後の世界の話をするとのってくるの。女の人はのってこない。

伊:そうなんですか。

帯:女の人はそういうところは淡泊なんだよな。

週刊朝日  2015年7月3日号より抜粋


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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