動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、モロッコ・シャウエンの猫。

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 まるで海の中にいるような真っ青な路地で、オス猫が窓越しに挨拶をしている。

 モロッコ北部、リフ山脈の奥深くにある小さな町シャウエン。家の壁や階段、あらゆる場所が青色に染められた旧市街(メディナ)は、細い道が入り組んでいることから、「青の迷宮」と言われる。スペインから追われたユダヤ人が住み着き、ユダヤ教で神聖とされるブルーに町を染めたという説もある。

 入り組んだ道も猫にとってはお手のもの。瑠璃色の街で今日も穏やかに暮らしている。

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週刊朝日 2015年6月26日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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