室井佑月「安倍さん、そこを説明してみやがれ」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「安倍さん、そこを説明してみやがれ」

連載「しがみつく女」

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 小林さんは自衛隊による他国への後方支援についても、

「後方支援というのは日本の特殊概念。要するに戦場に後ろから参戦する、前からはしないというだけの話。露骨な戦争参加法案だ」とまで言い切った。

 つまりさ、政府がやっきになって成立させようとしている安保関連法案は、そもそも現行の憲法では認められないってことでしょう。

 前出の新聞には、

「国会の場で法案の根幹に疑問が突きつけられたことで、政府・与党からは、今国会中の成立をめざす法案審議に影響を及ぼしかねないと、懸念する声が上がっている」

 とも書かれておった。懸念もなにも、集団的自衛権の行使は違憲。閣議決定で解釈を変え、多数決取っても、それは駄目ってことじゃんか。

 そう思っていたら、その後、菅義偉官房長官は会見で、

「法的安定性や論理的整合性は確保されている。全く違憲との指摘はあたらない。全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」だとさ。

 見苦しいな。自民党が呼んだ学者先生まで、違憲だといってるのに。じゃ、はじめから「全く違憲でない」という著名な憲法学者を連れてくればよかったじゃん。

 つーか、現実として、全国の憲法学者200人近くが、法案に反対する声明を出しているんですけど。

 こういう議論になると、「今のままじゃこれから先、国は守っていけない」、そんなことをいいだすんだよ。なんですかね、ここまで来てそのざっくりした反論は?

 実際のところ、安倍総理が米国で演説し、「夏までに」と約束してしまったってのがムリクリ頑張る理由じゃないのか?

 だとすれば、国家の基礎・ルールである国民のための憲法より、アメリカさんとの約束が重い国ってどんな国なん?

 そこを説明してみやがれ。

 でないと、わからん。

週刊朝日 2015年6月26日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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