「授業がストップするような大規模トラブルはなく、困っているという話は現場から上がっていない」

 本誌は5月28日、市立東川登小学校でタブレット型端末を使用した公開授業を取材した。3年生の授業では、タブレット型端末を児童が使い始めると、起動できない、パスワード入力がうまくいかないなど、問題が続出。授業が完全に止まってしまった。1コマ45分の授業で、10分近くも時間をロスしていた。

 公開授業時、教育関係者はこう漏らした。

「タブレット型端末をこの日に合わせ調整していたのですが、今日もダメです」

 公開授業後の説明会で質問をすると、タブレット型端末に問題があることを教務主任も認めた。

「率直に言って、もう少し動きが良いタブレットが配られていたらなと思う」

 それでも、問題はないと言い張る武雄市。本誌発売後、連絡をくれた小学校教諭は、こう不満を漏らす。

「タブレットとそのネットワークに問題があることは、武雄市も先生、生徒もわかっている。鳴り物入りで始めたので、後戻りできないんでしょう。週刊朝日の記事で見直してくれたらと思ったのですが、まったくその気配はありません」

(本誌取材班=一原知之、上田耕司、小泉耕平、長倉克枝、永野原梨香、牧野めぐみ、山岡三恵/今西憲之 菅野朋子)

週刊朝日 2015年6月26日号