石川遼選手や松山英樹選手など、アマチュア時代から活躍し、プロでも実績を重ねるゴルファーたちが増えている。そんななか丸山茂樹氏が注目する高校生ゴルファーたちがプロを相手に健闘した。

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 いやぁ、うれしかったですね。JGTOチャレンジトーナメント「グッジョブチャレンジ」(5月28、29日、茨城・イーグルポイントゴルフクラブ)で、僕のジュニアファンデーションの推薦で出た3人の高校生が、見事に2日間、プロと戦い抜きました。

 5月6日の丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会で高校男子の部を制した高橋宝将(ほうしょう)君(日本ウェルネス高2年)と、僕が過去の実績で選んだ坂本雄介君(埼玉栄高2年)、杉原大河君(生光学園高1年)。3人とも予選を通過! さらに高橋君は、通算4アンダーの11位でベストアマに輝きました!

 みんなの「勉強になりました」というひとことは、すごくありがたかったですね。ゴルフ場の設備やコースの整備が非常に行き届いてたんで、「プロのトーナメントはすごいなあ」と思ったはずなんです。プロへのあこがれが、より強くなったと思います。

 彼らに「試合が終わったら、アプローチを見てください」なんてお願いされてたんですけど、天気が悪くなっちゃって……。次にチャンスがあったら、しっかりアドバイスしてあげたいと思いますね。ジュニアファンデーションから上のレベルへとつながっていく試みは、みんなが頑張ってくれたおかげで、上々の滑り出しとなりました。

 
 ミズノオープン(5月28~31日、岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部)は手嶋多一さんが優勝。7月の全英オープン出場を決めました。恐るべし46歳ですね。

 戦略性の高さと豊富な経験からくる巧みさが、ひときわ目立ってました。最後のほうは無理をせず、自分のコースマネジメントに徹したあたりは立派だなあ、と感心させられました。

 ミズノの契約選手、いわゆる「ホストプロ」が勝ったのは、1986年の中嶋常幸さん以来でした。手嶋さんも最終日は相当プレッシャーかかってたみたいですけど、わかりますよ。選手にしたら、スポンサーへの大きな恩返しになりますからね。それを最終日でコケたら……。

 僕はかつてブリヂストンさんにお世話になってた間に、ブリヂストンオープンで3勝してるんです。非常に喜んでもらえました。去年はテレビ解説をさせてもらいました。もう契約関係にはないですけど、ツアーを盛り上げるという意味では、いまも恩返しができてるのかな、と思ってます。

 話は変わりますけど、最近は天変地異が続きますね。数日おきに震度5程度の地震が起きてる感じで。5月29日には口永良部島で爆発的な噴火があったし。

 5月30日の午後8時24分ごろに小笠原諸島西方沖で起きたマグニチュード8.1の地震。あれはビックリしました。僕は東京・上野のガード下にある飲食店で晩ごはんを食べてたんです。「電車にしちゃ、揺れるなあ」なんて思って。そしたら地震で。線路の下なんだから、かなり地盤はいいはずですよね。それがあれだけ揺れたんだから、高層ビルの上のほうなんか、たまらなく揺れただろうな、と思って。店の外に出たら、線路で山手線がずっと止まったままでした。

 なんだかんだで災害への備えもしないままでしたけど、そろそろちゃんと準備しないとなって思います。

週刊朝日 2015年6月19日号より抜粋

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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