「政治について現役を離れたものだから、『ああしろ、こうしろ』と言わないが、進次郎は私の発言を読んでいるのではないですか。同じことを発言する必要はないし、私の意図はこうだと言うくらいです。たまに食事をする時も世間話が多いですね。進次郎が私を意識して、何を言うのかは自分で考えて発言すればいいと思います」

 小泉氏が原発再稼働を推進する安倍首相と直接対峙したのは3月12日。

 都内の料亭「福田家」に中曽根康弘、海部俊樹、森喜朗、福田康夫、麻生太郎の各氏ら自民党の歴代首相が集まった懇談会の席だったという。

「その時、私ははっきりと言いました。『原発ゼロにするべきだ』と。安倍首相は笑いながら聞いていました。追及するという感じではないですけど……」

 そしてこう苦言を呈した。

「安倍首相があそこまで原発にのめり込んでいる理由は首相にしかわからない。要は首相が決断すれば、原発ゼロでやっていける状況なのに、それを発言できないのは実にもったいないなと。こんな歴史的な役割を果たせる状況は滅多にないと思う。それを生かしてもらいたいと思うけど、これは首相の判断なので。それを推し量るのは難しいが、やればできる状況なのに生かさないのは残念だ」

(本誌・上田耕司、古田真梨子)

週刊朝日  2015年6月19日号より抜粋