白木の板に並ぶ「中勢以 北店」の熟成肉(撮影/家老芳美)
白木の板に並ぶ「中勢以 北店」の熟成肉(撮影/家老芳美)

 空前の肉ブームが到来した。好景気では、元気な色が流行(はや)るという。食の世界も、真っ赤な肉に食らいつくマッチョな人々の熱気にあふれている。どうせ食するなら、肉の中の肉を。都内でうまい“肉めし”に出会える、肉屋直営の店を探してみた。

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■中勢以 内店(小石川)
住所:東京都文京区小石川5‐10‐18/TEL:03‐3830‐0490/営業時間:17~23時(土日祝のみ11時半~15時半も営業)/休日:月(祝日営業、翌火曜休)

熟成肉(※)ブームの火付け役が、肉屋の「中勢以」だ。2008年に田園調布で産声をあげた。これが話題になり、13年に小石川に「北店」を出店。店内には、熟成肉が白木の杉板に並ぶ。好みや用途を聞き、肉の特徴を丁寧に客に伝える対面販売を大切にする。併設のレストラン「内店」で、選んだ肉を楽しめる。

■肉屋 格之進 F(六本木)
住所:東京都港区六本木1‐4‐5 アークヒルズサウスタワーB1F/TEL:03‐3505‐0298/営業時間:11~15時 17~23時(土日祝11~22時)/休日:ビルの休館日

一関と東京を食でつなぐ──。これを信念に、本社のある一関で育てた「いわて南牛」を独自の工程で熟成肉に仕上げ提供する。都内3店目の「格之進 F」は、数人でシェアできる骨付きステーキから、自家製生ハムまでバルメニューが豊富。炙りユッケを添えた玉子かけご飯はシメにおススメ。

■肉の大山(上野)
住所:東京都台東区上野6‐13‐2/TEL:03‐3831‐9007/営業時間:11~22時半(日祝~21時半)/休日:元日

1932年に創業した肉の卸問屋が直営する老舗。店の入り口は立ち飲みエリア。1日700個売れる「やみつきメンチ」が人気だ。奥のレストランは、安くて迫力満点の肉料理を味わう来店客で常に満席。せいろで4時間蒸したとろけるようなスペアリブ。サクサクの衣に、ヒレ肉に生ハムが巻かれた牛ヒレチーズカツレツ。全メニュー制覇したくなる。

■JA 焼肉本舗ぴゅあ(池袋)
住所:東京都豊島区東池袋1‐8‐1WACCA 5F/TEL:03‐5960‐5029/営業時間:11~15時 17~23時/休日:ビルの休館日

JA全農が母体の焼き肉店だけに、扱う国産牛肉の安全性と質の高さには自信を持つ。値段も他の店より2割は安いという。人気メニューは、霜降りや赤身などが一度に味わえる盛り合わせ。7月からは、燻肉が新メニューで登場する。肉の脂と桜チップの香りがよく合うザブトンに赤身を堪能できるランプ。さっと炙って口に運ぶと芳ばしい香りが広がる。

※熟成肉……一定の湿度と温度を保った熟成庫で腐敗を防ぎながら、数週間熟成させる。酵母や菌類の働きにより肉のたんぱく質をアミノ酸に分解することで、うまみや甘みが凝縮される。肉の繊維がほぐれ柔らかさも増す。ナッツのような熟成香が特徴。

週刊朝日 2015年6月12日号