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 これからの季節は室内のダニにとって格好の増殖環境が整う。多い時期にはほこり1グラムあたり700匹を超えるダニが生息しているのだ。

「5~70歳の約20%がダニをアレルゲン(原因物質)とするアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくを発症しているという推計があります。ダニアレルギーを根本から治す免疫療法が、いま大きな転機を迎えています」

 こう話すのは、日本医科大学付属病院(東京都文京区)耳鼻咽喉科教授の大久保公裕医師だ。免疫療法とはアレルゲンを少量ずつ定期的に体内に入れることで、アレルゲンに対する反応を徐々に抑える治療。抗アレルギー薬やステロイド薬などによる対症療法(症状緩和を図る治療法)とは異なり、根治が望める。

 日本で実施されていた免疫療法は、チリ、ダニ、カビなどさまざまなものが含まれるハウスダストから抽出したエキスを皮下注射する方法(皮下投与)。それが、4月21日からはチリダニから抽出したたんぱくをもとにしたエキスを皮下投与する治療が始まった。舌の下に含んで錠剤を溶かし、体内に吸収させる舌下錠も近々発売予定で、秋から冬ぐらいには舌下免疫療法も受けられるようになる。

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