好調DeNA 強さの秘密は“心中覚悟”の中畑流異例采配 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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好調DeNA 強さの秘密は“心中覚悟”の中畑流異例采配

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
横浜スタジアム

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 その裏には、中畑監督らしい思い切った決断もある。セ・リーグトップのセーブを積み重ねる新人の山崎康晃の守護神起用は、普通の発想ではなかなかできない。ドラフト1位だろう? 将来のチームの柱と考えるなら、キャンプ、オープン戦で結果が出なければ2軍から出直しをさせるのが自然の流れだ。投手出身の監督ならこんな発想は出てこない。プロの打者との力関係がまったく分からない。どの球種がどの程度通用するかは、シーズンが始まらないと分からない。しかも、9回という打者の集中力が一番高まるイニング。精神面の強さも含めて未知数だ。亜大ではエース。いくら大学日本代表で守護神をやったことがあったとしても、配置転換には勇気がいる。

 打線の中で昨年の盗塁王である梶谷を開幕から筒香の前の3番に据えた起用も見事だ。梶谷は左足首の捻挫で出場選手登録を抹消中だが、中畑監督が「心中する」とまで言った筒香の前にリーグ屈指の俊足選手を置いた。本来なら、主砲の前に出塁した走者は走りにくい。本塁打が出る可能性もあるから。それでも中畑監督は「どんどん走れ!」と梶谷に指令しているという。目の前で梶谷の足を警戒すれば、投手は落ちる球を投げにくくなる。筒香は球種を格段に絞りやすくなる。筒香の好調の要因には、梶谷の存在もある。

 これだけ貯金もできれば打順も変える必要はない。打線を固定できれば、各選手の役割も鮮明になってくる。試合を重ねるごとに、前後の打者とあうんの呼吸も生まれてくるものだ。

 夏場まで首位争いをしてほしい。そして8月からが本当の優勝争いとなる。全員で9月の重圧のかかるしびれる本当の戦いを味わってほしいよな。

週刊朝日 2015年6月5日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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