プレゼン力で東大合格?
プレゼン力で東大合格?

「この商品、価格は9800円。同様の商品は数十社から出ていますが、他社と比べて安い! たとえばS社では……」

 1年生の高橋英航さんが、教室の前に出て、はきはきと説明する。

 ラジオボイスレコーダーの営業マンが商品をPRするという設定。私立の中高一貫校・栄東高校の土曜講座のひとコマだ。

 毎年難関大に合格者が多数輩出する埼玉県内有数の進学校である同校は、「アクティブ・ラーニング(AL)」に力を入れている。

 ALとは、米国で提唱された学習方法。グループワーク、ディスカッションやディベート、プレゼンテーションなど課題解決型の学習を通して、生徒自らが能動的に学んでいくというものだ。大学教育で実践されていたが、文部科学省の推進もあり、初中高等教育の現場でも広まりつつある。

 同校では、1978年の開校時から、「創意工夫して、生徒が主体的に学ぶ力をつける教育」をモットーに掲げてALに取り組んできたという。

 アドミッションセンターの市原貴紀教諭は、

「時間や手間がかかりますが、自律的な学習態度が自然と身についていきます」

 と効果を話す。

 3年前から始めた高1・高2生が対象の「土曜講座」もALの一環だ。

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