青く澄んだ空に真っ白な雲、陽射しに輝く緑の山々。酷暑の季節を前に、涼やかな初夏の景色が日本各地に広がっている。

 我々が郷愁を覚えるのは、野ざらしの自然ではない。初々しい苗が鏡のような水面に映える田んぼや、風になびく手入れされた草花――。人を受け入れ、人を守り、人と共に生きる、そんな自然である。

 紹介するのは、54の町村と地域で作る「『日本で最も美しい村』連合」に加盟する、小さな町や村だ。どこも豊かな自然を未来へ引き継ごうとする、希望に満ちた地域だ。さわやかな初夏の風を感じる旅に出てみてほしい。

<日本でもっとも美しい村>
 ■京極町(北海道
 電車:JR函館本線倶知安駅下車 バス約30分
 車:札樽自動車道小樽ICから約100分

 ■飯豊町(山形県)
 電車:JR米坂線手ノ子駅下車
 車:東北自動車道福島飯坂ICから約1時間30分

 ■赤井川村(北海道)
 電車:JR函館本線小樽駅下車 車・バスで約45分

 ■小川村(長野県)
 電車:北陸新幹線長野駅下車 バス約50分
 車:上信越自動車道長野ICから約40分

 ■十津川村(奈良県)
 電車:JR五条駅からバスで約2時間30分
 車:奈良県五條市から国道168号を南へ約1時間30分

佐々木桂(詩人・エッセイスト)

週刊朝日  2015年5月29日号