澤は次震災後のW杯と意気込む (c)朝日新聞社 @@写禁
澤は次震災後のW杯と意気込む (c)朝日新聞社 @@写禁

「これまでいろんな取材をしてきましたが、こんな取材、聞いたことがない」

 スポーツ紙のベテラン記者が呆れた様子で語るのは、女子サッカー日本代表“なでしこジャパン”の中心選手である澤穂希(36)と川澄奈穂美(29)のインタビュー取材のこと。来月のカナダW杯に出場する2人に個別取材の申し込みが殺到した結果、こんなことがあったという。

「2人のマネジメントを行う所属事務所から連絡があり、川澄は5月13日に神戸市内のカフェで、澤は14日に同市内のホテルで各45分ずつの取材が設定され、各社一緒に話を聞いてくれと。で、こんな趣旨の説明がありました。『皆様のご要望にお応えするべく時間を確保しました。アットホームな雰囲気でお話ししてください。会場費、サポートの交通費として各社様各日税別3万円の費用負担をお願いしたく、ご検討頂ければ幸いです』と」(前出の記者)

 これは業界の常識からすると“異例”なのだという、別のスポーツ紙のデスクは、こんな言い方をした。

プロ野球で優勝が決まった翌日に主力選手の“手記”が掲載されることがあるが、あれは他紙には載っていない独占記事で、それでも選手への謝礼は2、3万円。それも、選手から要求されて払うものではなく、あくまで厚意。それと同じような金額を各社一緒に同じ話を聞いて払うなんて、考えられませんよ」

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