総本山金剛峯寺の正門と主殿(本坊)。正門は金剛峯寺で一番古い1593年の再建。かつては天皇・皇族、高野山の重職だけが通ることを許された(撮影/写真部・馬場岳人)
総本山金剛峯寺の正門と主殿(本坊)。正門は金剛峯寺で一番古い1593年の再建。かつては天皇・皇族、高野山の重職だけが通ることを許された(撮影/写真部・馬場岳人)
おなじみのヤクルトの形をした、ヤクルトの物故者の慰霊碑。この石碑は2013年に建立された。高野山には多くの会社の慰霊碑や供養塔があり、定期的に慰霊祭を行なっているという(撮影/写真部・馬場岳人)
おなじみのヤクルトの形をした、ヤクルトの物故者の慰霊碑。この石碑は2013年に建立された。高野山には多くの会社の慰霊碑や供養塔があり、定期的に慰霊祭を行なっているという(撮影/写真部・馬場岳人)

 弘法大師空海が高野山を開創し1200年。現在は大法会が行われているが、高野山は壇上伽藍、奥之院の二大聖地だけじゃない。高野山を訪れたら是非とも体験したいあんなところ、こんなものを一気に紹介。

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 高野山には、金堂の薬師如来像や奥之院の弘法大師御廟などのほかにも、見たいもの、味わいたいものがたくさんある。

 壇上伽藍の正門である中門は鎌倉時代の様式で172年ぶりに再建され、四天が配された。中門のすぐ隣には朱が鮮やかな根本大塔が立つ。その大きさだけでなく、堂内に安置された仏像にも圧倒される。

 伽藍を出ると、周辺には仏具店や土産物店が軒を連ねる。

 高野山を訪れたら宿坊に泊まりたい。昼夜供される精進料理は、それぞれの宿坊が味を競う。

 弘法大師御廟のある奥之院では、織田信長をはじめとした戦国武将の墓所を巡ろう。こうした“正統派”はもちろん、企業が趣向を凝らしたユニークな形の供養塔を見るのも楽しい。

 高野山は「聖地」であり、近寄りがたいと感じるかもしれない。しかし、あらゆるものを受け入れる寛容さも持っている。そんな魅力がここにはある。

週刊朝日 2015年5月8-15日号