「巨人のルーキー・高木勇人がおもしろい」東尾修の目利き (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「巨人のルーキー・高木勇人がおもしろい」東尾修の目利き

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
開幕3連勝を好調の巨人・高木投手 (c)朝日新聞社 

開幕3連勝を好調の巨人・高木投手 (c)朝日新聞社 

 広島の黒田博樹は今、ツーシームでボールを内外角に動かせる。だが、彼はメジャー移籍する前までは速球、スライダー、シュート、フォークボールの投手だった。すべての球種が一級品。メジャーの舞台で、それだけでは通用しないと試行錯誤した上で球を動かすようになった。同じく40歳になった上原浩治を見てほしい。長年、速球とフォークボールだけ。そのフォークボールの変化にバリエーションを加え、メジャーを代表する守護神として君臨している。しっかりと段階を踏んできた投手の選手寿命は長いよな。

 その延長線で言えば、黒田の代名詞でもある左打者の内角の、ボールからストライクになる「フロントドア」と呼ばれるツーシームは、非常に危険な球だ。制球が狂えば真ん中にシュート回転して入って、打者の絶好球にもなる。完成度の高い黒田だからこそできる芸当。若い投手が一朝一夕で身につけられるものではないし、まねごとだけはしてはいけない。

 野球界に変化球が満ちあふれている。目移りするのもわかる。1軍で結果を残すために、2軍でくすぶる投手が、自分を変えるきっかけに新球……ということもあるよな。ただ、1軍で通用するようになった投手は自分の球種の精度を上げ、投球術に磨きをかけることを先に心がけてほしい。新球習得というのは、選手寿命にも影響を及ぼす重要な決断であるということをわかってもらいたい。

 30歳を超え、速球の球威が落ちてきたときに、投球術がなく、中途半端な球種ばかりを抱えた投手はどうなるか。ジリ貧になるのは目に見えている。

週刊朝日  2015年5月1日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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