気づいたら便が漏れていた…「便失禁」の治療法とは 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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気づいたら便が漏れていた…「便失禁」の治療法とは

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週刊朝日#健康

 トイレに間に合わず便が漏れてしまう、気づいたら便が漏れていた――高齢者を中心に推計約500万人が悩んでいる便失禁。その治療として、2014年4月に電気刺激を使った仙骨神経刺激療法が保険適用されたことで、社会的認知度と治療の幅が広がった。日本大腸肛門病学会の理事で藤田保健衛生大学病院消化器外科教授の前田耕太郎医師に、便失禁を取り巻く現状と治療について語ってもらった。

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 現在、便失禁の治療は内科的治療と外科的治療の二つに分かれ、第一選択肢は内科的治療となります。その中でも、まず第一に選択されるのが生活習慣の改善です。

 例えば、便失禁の場合、多くが便が緩いことが原因といわれています。そのため、便を硬くするために食物繊維を取ったり、大量飲酒を避けたりするだけでも症状が良くなることがあります。

 それでも効果がない場合は、薬物での治療となります。

 現在、使われているのはポリカルボフィルカルシウム(商品名・ポリフル、コロネル)という過敏性腸症候群に使われる薬やロペミンという下痢止めとしてよく使われる薬です。

 約6割の患者さんは、ここまでの治療で改善するといわれていますが、改善しない場合は肛門周囲の筋力を鍛える骨盤底筋訓練の一つであるバイオフィードバック療法や弱った骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操を併用します。

 ただ、全体の1~2割の患者さんは全く改善しないこともあり、その場合は最終手段として外科的治療が選択されます。

 今おこなわれている外科手術は仙骨神経刺激療法と肛門括約筋形成・修復術の二つに大別されます。特に肛門括約筋形成・修復術は出産の分娩時に肛門周辺が大きく損傷した場合などの重症患者に効果的とされています。

 便失禁の場合、病院選びが大切になってきます。現在、便失禁が治療できる病院は全国でも数十施設と、まだまだ十分な数があるとは言えません。病院を探す場合、一般的には肛門科や肛門外科のある病院がいいですが、単純に近くの肛門科のある病院に行っても適切な治療を受けることができない場合も多いので注意が必要です。

 現在、国内では初めてとなる便失禁の治療ガイドラインを策定しており、来年の秋ごろには発刊の予定です。これによって、今以上に、多くの病院で専門的な治療が受けられるようになるでしょう。

週刊朝日  2015年5月1日号


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