特定看護師に「実情に合わない」の声 在宅医療どうなる? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

特定看護師に「実情に合わない」の声 在宅医療どうなる?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 看護師の資格としては、すでに1990年代に設けられた「認定看護師」と「専門看護師」がある。両方とも公益社団法人の日本看護協会が運用する資格だ。認定看護師は5年以上の実務経験(うち3年以上はその分野)に加え、指定教育機関での615時間以上、約6カ月の教育が義務付けられ、指導や相談も含めた現場の中心的役割を担う。専門看護師には2年間の大学院教育が義務づけられ、教育者や研究者としての役割も期待されている。いずれも看護のスペシャリストとして活躍しているが、制度ができてから20年たつ現在も、登録者数は認定看護師が1万4千人余り。専門看護師は1400人ほどだ。今後10年で政府が目指す「特定行為ができる看護師10万人」には遠く及ばない。

 都内の病院で主任を務める女性看護師(32)は、この春から認定看護師になるため、病院に在籍しながら研修に通う。病院にとってもプラスになるとして、病院が学費を負担する。彼女に特定行為について尋ねると、率直に教えてくれた。

「緊急性があり、患者さんの要望も強いだろうと思う行為もあれば、医師の手伝いに過ぎない、と思う行為もあります。病院勤務の看護師として、医師の多忙さもわかるのですが……」

 看護教育をリードする聖路加国際大学看護学部の菱沼典子教授は、特定行為の内容に落胆を隠さない。

「現状は、残念ながら、チーム医療の推進というより医師の人手不足を補う内容に終始しています。看取りを含め、これから在宅医療には看護師にもっと踏み込んだ内容が求められていたのではないか。たとえば死亡診断などは、今後切実な問題になるはずです」

 死亡診断は、現在、医師だけに認められている。しかし、今後増える在宅での看取りに寄り添うのは、主に看護師たちになるだろう。巨額の税金を投じて運用される制度が、計画倒れにならないように願いたい。

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい