特定看護師に「実情に合わない」の声 在宅医療どうなる?
超高齢化社会に向け、高まる在宅医療のニーズに応えるべく、看護師が「手順書」をもとに一定の診療の補助ができる「特定行為」と研修制度が新設される。国は2025年までに看護のスペシャリスト10万人を育成する計画だが、「実情に合わない」など、現役の看護師からは疑問の声もあがっている。
研修は、315時間の共通科目のほか、特定行為の種類によって、専門科目がある。研修費用は各種助成金もあるが、基本は看護師が負担する。
神奈川県の訪問看護ステーション「ゆらりん」の林田菜緒美代表は言う。
「私たちがいまの訪問看護業務を行いながら研修に通うのは、明らかに現実的ではありません」
東京都の訪問看護ステーション「ケアプロ」代表の川添高志さんは内容とコストを懸念する。
「研修を通じて私たちが改めて学ぶことが、患者さんの役に立つならいいのですが。研修コストがかかるだけで、内容はこれまでの『包括的指示』による行為と変わらないという事態は避けてほしい」
実際は、訪問看護師たちはすでに医師の「包括的指示」に基づき、特定行為にも挙げられる、点滴や薬剤などの投与量の調整を行っている。「包括的指示」と「手順書」による指示で行う行為に、差はあるのか。
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