国勢調査などをもとにした将来推計人口では、2025年に向けて65歳以上の高齢者が急増するとみられ、医療や介護サービスの需要が高まると予想される。

 特に在宅医療は重要で、内閣府の調査では、「介護を受けるなら病院より自宅で」「最期は自宅で迎えたい」という意見が、多数を占めている。

 ところが、在宅医療を担う訪問看護師数は約3万人で、看護職全体の約2%。医療の現場を支える看護師の養成も急務だ。

 12年の時点で、看護師や保健師、助産師などの看護職は約154万人だが、国は25年までに200万人に引き上げる目標を立てている。看護師を確保すべく、大学の看護学部新設も相次いでいる。また、今年10月からは、出産や育休などで離職した場合の届け出制度を創設する。

 看護師の質を高め、現場での役割を広げようとする動きもある。それが、やはり10月からスタートする「特定行為」の研修制度だ。特定行為とは、医師や歯科医師の判断を待たず、「手順書」をもとに行える一定の診療の補助行為のこと。インスリンの投与量の調整や、中心静脈カテーテルの抜去など、特定行為は21区分38行為に及ぶ。特定行為を行う看護師には、病院などの研修機関での研修が義務づけられる。

 厚生労働省医政局看護課の担当者は、制度をつくった経緯をこう語る。

「在宅医療を推進するには、熟練した看護師だけでは足りないという考えから出発しました。看護師の質と技量を底上げし、在宅医療の支えとなることを意図しています」

 対象は、3~5年以上の実務経験を持つ看護師をイメージしているという。

「10年後の25年までに、特定行為のできる看護師を10万人程度育成することが目標です」(厚労省担当者)

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋