原洋子さん(右)と長友編集長(撮影/写真部・植田真紗美)
原洋子さん(右)と長友編集長(撮影/写真部・植田真紗美)

『週刊朝日』の長友佐波子編集長が今を輝く女性にインタビューする「フロントランナー女子会」。今回はNY発の人気ブランド、セオリーを日本で展開するリンク・セオリー・ジャパンでCo-COO(共同最高執行責任者)を務めながら、ユニクロなどを運営するファーストリテイリンググループ執行役員となった原洋子(はら・ようこ)さんです。

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長友:イチから育てたセオリーが、方向性の違うユニクロの子会社になるって戸惑いはなかったですか?

原:一部、ありました。社内から、「2900円のセオリーのパンツを作るんですか?」とか(笑)。でも私は、お互いすごく良いタイミングだなと思いました。ユニクロがグローバルに成長する中でアメリカ市場への進出を考えると、セオリーという米国ブランドがグループの一つになっているのは有利だし、当地のマーケット情報も共有できます。セオリーとしても、ファーストリテイリングが持っているパワーが必要な時期でした。子会社化するといろんな人が新しい風を入れすぎて、元々あったものを無視しちゃうことが多いと思うんですけど、(ファーストリテイリング会長兼社長の)柳井(正)さんは違った。セオリーはセオリーのまま、ブランドの創業者の思いに共感して一緒に発展させていきたいと思われる方なので、そこも素晴らしいと思いましたね。

長友:じゃあ、セオリーの方向性に変に意見することはなかった?

原:一切ないですね。統合するときは何度も話をする時間がありました。我々はユニクロのグローバルな物づくり、運営の仕組みを学び、我々の細かなサービスや社員が持つ誰よりも強いブランド愛を知ってもらう。お互いの良いところをとことん知り信頼を深めていくための話し合いをしました。お互いを知り疑問とか不安はなくなりました。

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