ちなみに、14年の金生産は過去最高の3114トンで時価換算は14兆円。日銀が昨年10月に発表した追加緩和の長期国債の買い入れペースは年間80兆円だ。どれだけじゃぶじゃぶに緩和しているかがわかる。

 日銀だけではない。欧州など世界各国もばらまきに動いている。

 金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏が言う。

「通貨は刷れば刷るほど価値が薄まります。緩和が進むほど相対的な金の価値は上がる。世界で中央銀行制度ができてから、こんなにお金を刷っている時代はない。中央銀行の仕事はいかにインフレを防ぐかだったはず。それが反対のことをしているのです」

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋