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“悪の親玉”だった? JA全中会長が辞任で守った農村

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週刊朝日

JA全中の萬歳(ばんざい)章会長(69)(撮影/写真部・加藤夏子)

JA全中の萬歳(ばんざい)章会長(69)(撮影/写真部・加藤夏子)

“既得権益の象徴”として叩かれたJA全中の萬歳(ばんざい)章会長(69)。9日に電撃的に辞意を表明し、8月で退任する。だが、萬歳会長は本当に“悪の親玉”なのか。米国の影が透けて見える規制改革に抵抗し、体を張って何を守ろうとしたのか。本誌に語った。

――9日に開かれたJA全中(全国農業協同組合中央会)理事会。冨士重夫専務理事が体調不良を理由に辞意を表明した直後、萬歳会長が立ち上がった。誰もが盟友の冨士専務理事へねぎらいの言葉をかけるのだろうと思った。それが突然、任期途中での退任を表明した。

萬歳会長(以下・萬歳):農協改革の骨子を了解した後の2月中旬ごろから、辞任を考えていました。4月3日に農協法の改正案が閣議決定され、一つの区切りを迎えたなと。今回、農協法が我々の思いとは違った形に改正されます。その改革案を了承することは、組織にとって大きな決断でした。トップとして、区切りをつける必要があると思いました。

――自民党の有力支援組織である農協に“農協解体”の衝撃が走ったのは昨年5月。政府の諮問機関である「規制改革会議」が、農協改革について急進的な内容を含む意見書を発表した。特に問題視されたのが、農家でない人も出資金を払うことで農協のサービスを利用できる「准組合員制度」で、事業利用を制限することを提案していた。

萬歳:本当に驚き、唐突感がありました。規制改革会議の提言には、「農業協同組合法に基づく中央会制度の廃止」という提言のほか、全農(全国農業協同組合連合会)の株式会社化、准組合員の事業利用を正組合員の2分の1以下に制限する案などがありました。目的は、農協の解体と組織内部の分断と受け止めました。

 たしかに、准組合員の数は正組合員を逆転しました。ですが、これは農協が地域に提供しているサービスにご理解をいただいて加入してもらっているものです。


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