「選挙を考えたら自民党は公明党なしにはやっていけませんが、そもそも安倍首相は昔から公明党と合わない。ものの見方も違うし、山口那津男代表と話しても裏で創価学会とも交渉しなければ結論が出ない二重構造で、面倒くさい。トップダウンで決断できて気心も合う橋下氏、松井氏を憲法改正のカードにし、絶えず、牽制したいのです」

 憲法改正に向け、政界の勢力図が大幅に変わる日がくるのか──。

「すべては5月の住民投票の結果次第。維新が勝つか、負けるかで、風景がまったく異なるだろう」(関西の創価学会幹部)

 大阪在住のジャーナリスト・吉富有治氏はこう予想する。

「橋下さんにとって不安材料は、投票に行く傾向のある高齢者に厳しい改革をしてきたこと。70歳以上は無料だった市バス・市営地下鉄の敬老パスを一部有料にしたり、文楽協会への助成金を削減したり。住み慣れた区の名前が変わることに、抵抗がある人も多い。これがどう影響するか。一方で、改革に積極的な20代、30代が数多く投票に行けば、橋下さんにも勝機はあります。いずれにせよ激戦になると思います」

 大阪の民意は、日本にどんな未来をもたらすのか。

(本誌取材班)

週刊朝日   2015年4月17日号より抜粋