(左から)孫崎享さん、鳩山由紀夫さん、木村三浩さん(撮影/横関一浩)
(左から)孫崎享さん、鳩山由紀夫さん、木村三浩さん(撮影/横関一浩)

 刻々と潮流が変わる世界情勢。3月には鳩山由紀夫元首相と新右翼「一水会」の木村三浩代表がクリミア半島を訪問しバッシングを浴びたが、元外交官の孫崎享氏を交えて、安倍政権の外交を非難した。

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孫崎:私が外務省にいたとき、国際情報局という部署をつくった。例えば中国なら中国課だけでなく他の課も見るというように、一つの路線に縛られず、複眼的に検討する組織です。戦略を考えるときのポイントは、複数のバリエーションを提示して、比較検討するということなんですよね。

鳩山:その国際情報局はどうなったんですか。

孫崎:局としてはもうなくなりました。今は米国の言うとおりやるだけ。イラク戦争の前に大量破壊兵器がないという情報を総理に持っていったら喜ばれるかというと、米国に追随するためにはそんな話はいらない。そういう劣化が起きている。

木村:日本の外交にも、もっと多様性が必要です。3月中旬に私と鳩山さん、ジャーナリストの高野孟氏などでクリミア半島を訪問したのもそのためです。

鳩山:日本は米国に追随してロシアに経済制裁を科しましたが、本当に制裁が必要なのか、この目で見極めたかったんです。

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