日本のベテラン野球記者は「興味深かったのは開幕戦で田中が投げたフォーシームの球数。スポーツ新聞ごとに全然違っていた」と指摘する。

 新聞によって、少ないところは4球、多いところは13球としていた。

「それだけ開幕戦での田中のフォーシーム=ストレートはパッとしなかったということなんです。フォーシームが遅いから、それを動きの少ないツーシームと判断したところがあった、ということでしょう」(同前)

 マー君は今季、技巧派へのモデルチェンジを公言したが、そのスタイルで開幕戦は打ち込まれた。

「不安を残しているのが一番の問題なんです。去年、右肘靭帯の部分断裂が見付かったとき、マー君は手術でなく保存療法を選びました。それで早く復帰できた訳ですが、だからこそ痛みの再発……再断裂の不安がある。24連勝した年も本人の調子が凄く良かった訳じゃない。皆に助けられて勝っていた。それが今は孤立無援。ニューヨークはまだまだ寒く、ただでさえ肘に不安のある投手には厳しい環境なのに、酷評の嵐も吹き荒れている。彼は耐えられるでしょうか?」(前出デスク)

(本誌取材班=山内リカ、上田耕司、福田雄一/黒田 朔)

週刊朝日 2015年4月24日号