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 小児の白血病は約8割が治るようになった。大半が命を落とした30年前に比べると目覚ましい進歩に見えるが、小児がん治療をリードしてきた名古屋大学大学院・小児科学の小島勢二(こじませいじ)教授は「日本の治療レベルはまだ欧米に追いついていない」と話す。

 日本で新たに小児がんと診断される子どもは年に2千~2500人。小児がんは一つひとつの疾患の患者数が少なく、いちばん多い白血病でも約700人です。

 小児白血病はプロトコール(共通の治療指針)に沿って全国ほぼ同じ治療が実施されるようになっていますが、患者数が少ないだけに、特に難治症例は医師が十分な治療経験を積むことができない場合があります。その結果、患者は適切な治療を受けられていない可能性もあるのです。例えば小児に対する造血幹細胞移植は日本では約70の医療機関が対応していますが、そのうち半数は年間実施件数が5件にも満たない状況です。

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