奈良県同様、新旧でライバル対決をするのが広島県だ。今年の東大合格者数は広島学院が抜きんでて、修道がそれに続く。広島学院が1956年にできた比較的新しい学校なのに対し、修道は1725年に開校した藩校を祖とする伝統校だ。

 広島学院ができた当初は修道の進学実績が上回っていたが、広島学院が「大学にたくさん生徒を送り出せるよう、意識して学力向上に努めた」(三好彰校長)結果、ぐんぐん力をつけた。70年代後半には県内トップ校となり、東大合格者数の全国トップ20にも頻繁にランクインするようになった。

 一方の修道は、2006年に現在の田原俊典校長が就任し、古豪復活のために大胆な改革を始めた。

『名門校とは何か?』(朝日新書)などの著書がある教育ジャーナリスト、おおたとしまささんはこう話す。

「田原校長は『東大シフト』を掲げ、基礎学力を上げるため、教師による毎日のノートチェックや成績が振るわない生徒を集めた山寺での勉強合宿、成績上位者対象の東大見学ツアーなどを行いました。こうした“荒療治”ともいえる改革が成果を出しつつあります」

 田原校長は言う。

「うちは県内ナンバーワンを狙っています。合格者の実績を今以上につくれるよう、高みを目指します」

週刊朝日 2015年4月17日号より抜粋