安部首相と菅官房長官もNHKの相次ぐ不祥事が頭痛の種? (c)朝日新聞社 @@写禁
安部首相と菅官房長官もNHKの相次ぐ不祥事が頭痛の種? (c)朝日新聞社 @@写禁

 NHKの2015年度予算は国会で3月31日、昨年に続き、全会不一致の承認となった。NHK予算は全会一致で承認されるのが慣例だが、民主党などは問題続出の籾井勝人会長の適格性などを理由に反対した。だが、“火種”はまだあった。自民党の「国際情報検討委員会」がぶち上げた「新・国際放送」創立案だ──。

 元NHKプロデューサーで武蔵大学教授の永田浩三氏は国費が投入されている国際放送は政治介入を受けやすい土壌が残されていると指摘する。

「政府が国際放送を“蟻の一穴”にして、NHK全体への影響力を高めたいと考えていても、おかしな話ではない。一度、国際放送で政府の意向を汲んだ内容が放送されたとしたら、それはNHK全体にとっての“前例”になるからです」

 籾井会長は昨年1月の就任時、国際放送について、「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と発言したが、現場のNHK関係者A氏はこう言う。

「籾井会長が『国際放送に力を入れる』と言い、『NEWSLINE』など番組内容が変わりました。昨年10月ごろから閣僚や日本の在外公館の大使らの出演を増やそうとなり、よく出るようになりました。ニュースの枠は約30分で、現場リポートは長くても5分程度ですが、閣僚のインタビューは8分はやる。なぜ?」

「安倍首相の会見などを生放送する時間も増えている。以前はあまりやらなかった」(別のNHK関係者B氏)

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