事業再生コンサルタントの吉田次郎氏も、「中小企業の状況は、黒田バズーカ以後もリーマンショック時と変わらない」と話す。

「国に何を言われようとリスクを負うのは金融機関ですから、現実は赤字企業に融資などできない。個人消費や内需に頼る業種は今も資金繰りに苦しんでいる」

 公共事業などで比較的好調とされる建設業でも、状況は同じだという。

「リーマンショック時に極限までリストラやコストカットをしており、今になって目の前に受注のチャンスがあっても取りに行く体力がない。融資が受けられず人手もなく、身動きが取れない」(吉田氏)

 そこへ追い打ちをかけるように、3月決算の企業は5月末に増税後初の消費税(確定申告分)の納期限を迎える。資金繰りが厳しい企業ほど取引先から預かった消費税を運転資金に回しており、支払いに窮する可能性が高いという。

「再建のチャンスが十分ある企業でも、経営者は目の前の金策に忙殺され疲れ果てている。消費税を滞納して延滞税や差し押さえという事態になれば、そのまま廃業を選択する企業が続出する可能性もある」(同)

 6月はXデーとなるのか。

週刊朝日 2015年4月17日号