総会では、そんな親子をたしなめる声が続出。最初に発言した男性は、

「久美子さんにも問題があるが、会長は人の意見を聞く耳を持っていない。きょうだい仲良くしてほしい。勝之さんも修業が足りない! 親父さんがいないと何もできないのでは、どうしようもないでしょ。一番重要なのは勝之さんです。和解しなきゃ。過去の成果は過去のもの。それができないところが潰れるの!」

 と説教。

 さらに株主からこんな意見も出た。

「久美子社長は優秀だと思うのです。ですが、家具が売れるのは、結婚だとか、とてもハッピーで親子の仲がいいときですよね。こんなところで家具を買いますか? 我々は日本人ですよ。一番大事なことを忘れています」

 時折、久美子氏は涙ぐむような表情も見せた。

 今後についてのこんな提案も。

「明日の一面広告で父娘の握手している写真を出したらどうか。そして、良い物を売っていけば、さらに飛躍できると思う」

「ピンチはチャンス。今回の件で、全国でこんなに注目を集めている。宣伝費を使わないで、宣伝になっているんだから! これをうまくおさめて平和になれば発展もあるはず」

 また、久美子氏は勝久氏と歩み寄れない理由を問われると、こう理路整然と回答した。

「事実認識の一致が見られないところが大きい。私たちの中期計画への誤認もある。すり合わせが難しい」

(本誌・永野原梨香、牧野めぐみ)

週刊朝日 2015年4月10日号より抜粋