球団史上最高となる初年度年俸1億円(推定)で獲得した大リーガーのグスマンが代役を務めているが、広角に打ち分けるタイプで長打はあまり期待できない。日本特有の変化球攻めに苦労するシーンも多そうだ。

 2番菊池、3番丸、5番松山の若手トリオの成長が著しいだけに、真の4番が期待されるが、野球解説者の金村義明氏は「黒田投手と同じく、8年ぶりに古巣復帰した新井貴浩内野手(38)は魅力」と指摘する。

 新井はかつて広島の主砲として本塁打王を獲得。2008年に阪神FA移籍した。昨年オフに自由契約となり、広島に戻った。年俸は昨年の10分の1となる2千万円(推定)。

「キャンプでは若手と同じメニューをこなし、自らを追い込んでいた。紅白戦で本塁打を放つなど長打力もそれほど衰えていない。今は代打の切り札ですが、調子を上げてくれば4番起用の可能性もあるのではないか」(金村氏)

 通算2千本安打まで146本、300号本塁打まであと20本と迫る新井。黒田と共に救世主となれるのか。

週刊朝日 2015年4月10日号