田原総一朗「安倍政権は翁長沖縄県知事と基地問題で対話せよ」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「安倍政権は翁長沖縄県知事と基地問題で対話せよ」

連載「ギロン堂」

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きちんと対話を…

きちんと対話を…

 だが、辺野古への移設作業を是認したのは仲井真弘多前知事であり、翁長氏は昨年11月の知事選で「辺野古への移設反対」を打ち出し、51.6%の得票率で当選しているのである。つまり沖縄県民の多数が辺野古移設に反対しているわけだ。政府の方針と沖縄県民が真っ向から対立しているのである。

 政府は、常々「沖縄の方々の理解を得る努力を続けている」とは言っているが、たとえば3月中旬に翁長知事が上京したときにも、安倍晋三首相はもちろん菅官房長官など政府首脳は会おうとしなかった。国民には、政府が沖縄の訴えに耳を閉ざして移設作業を進めているように見えるだろう。

 沖縄に米軍基地の74%を依存している現状は、どう考えても異常である。民主党政権のとき、鳩山由紀夫首相(当時)は、普天間飛行場をグアムなどの米軍基地に移設することを求めた。実現の裏付けらしきものがないという意味では絵空事であったが、発想としては理解できる。そしてその後、米国との交渉がうまくいかなくなって、「最低でも県外」となった。根拠のない無責任な発言ではあったが、これも発想としては理解できる。

 それより前の自民党時代に、一度は沖縄県知事と名護市長も辺野古移設を了承しているのだが、そのときは野中広務元官房長官や橋本龍太郎内閣の首相補佐官を務めた岡本行夫氏などが現地をめぐって沖縄県民たちと時間をかけて徹底的に話し合い、信頼を得たのであった。今や、それに倍する努力が必要なのであって、政府の言うように「粛々と」作業を進めても出口はないだろう。

週刊朝日 2015年4月10日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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