「老眼鏡をかけてもかけなくても老眼は進み、予防法や進行を止める方法は今のところない。我慢していると疲れ目や肩こり、頭痛などの不調を引き起こすこともあります」(佐渡院長)

 このように敬遠されがちな老眼鏡だが、自分なりの工夫で使い勝手の良さを実感している人もいる。

 おしゃれな製品でネガティブなイメージを克服したのはマスコミ勤務の岡田亮一さん(48)。若いころから両目とも裸眼で1.5とよく見え、早く老眼になるかと思いきや、45歳を過ぎても予兆がなかった。だが半年前、出張先の海外で腕時計を現地時間に合わせようとして、時計の枠に記された小さな都市名がボヤけた。3年前に買ったときはクッキリ見えていたのに。ワインの裏側のラベルに書かれた小さな文字が見にくく、ボトルを離し目を細める。そんな動作を無意識にしている自分に愕然とした。

 普段からファッションに気を配る岡田さんは、職場近くのメガネ店でセンスのいい老眼鏡が作れることを知り、検眼の上で“老眼鏡デビュー”を果たした。深いブルーを基調にしたスタイリッシュで軽量なメガネは約2万円。

「周りに『初老』とちゃかされるけど(笑)、バッチリ見えて快適。もう手放せません」

週刊朝日 2015年4月3日号より抜粋