動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県のたちを訪ねる旅。今回は茨城県笠間市に出かけた。

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 ペットは飼い主に似るという。

 ならば、芸術家の猫は?

 陶芸家の夫婦と暮らす猫。こちらに向ける見定めるような視線は、独特のオーラと強烈な個性を感じさせる。

 栃木県の益子(ましこ)と並び、関東を代表する窯業の町として知られる笠間は、200年以上の歴史を持つ伝統ある産地だ。粘りが強く、粒子の細かい笠間粘土で作られる笠間焼は、丈夫なため日常雑器として使われてきた。この青空のような色の猫用水飲み鉢も笠間焼だ。陶芸家の猫は、にゃんとも贅沢です。

週刊朝日 2015年4月3日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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