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「この法案が通ったら、私は殺されてしまう……」

 東京都内の企業で派遣労働者として働く宇山洋美さん(50代女性・仮名)は、怒りに震えている。安倍内閣が13日に閣議決定し、国会に提出した派遣法改正案。シングルマザーで2人の子どもを育ててきた宇山さんを、さらに苦しめる内容としか思えないからだ。

 これまでの派遣法では、受け入れ期間は原則1年、最長3年までに制限されていた。それが、改正案が成立すれば事実上撤廃される。3年間働いた人を同じ職場の別の課に異動させるか、他の派遣労働者に入れ替えれば、無期限の派遣労働が合法化される。さらに、派遣会社と無期の雇用契約を結んでいる人も、同じく無期限の派遣労働が認められる。

 通訳など26分野の専門業務に限り無期限の派遣労働が認められていた規制も緩和され、26分野の枠組みが撤廃される。つまり、どんな業務でも正社員に代わって派遣労働者が担えるようになる。宇山さんは言う。

「安倍さんは、女性の活躍推進を強調していますけど、あれは正社員で幹部候補のエリート女性だけに向けられたものなんです。私のような派遣労働者には何の関係もない話です」

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