しかし、企業を安定的に経営するには、クーデターをしても絶対にうまくいきません。だから、ほぼすべての幹部社員が久美子から離反することになったのです。今も本社ビルの一室に外部の方と籠もりきり、社員たちからは孤立してしまっています。一体どうやって社員をまとめて経営していくというのでしょうか。

 大塚家具の経営の早期正常化のため、私は翌29日、対抗策として株主提案をせざるを得なくなりました。 2月25日に私が記者会見の場で、久美子に対し、「悪い子供をつくったと思わざるを得ない」という趣旨の発言をしたことは、穏当ではなかったと反省しています。その日の取締役会、つまり最後の最後まで何とか表に出さずに解決できないかと話し合いをしようとしましたが、どうしても久美子に聞き入れてもらえず、あのような表現になってしまいました。社員たちが立ち上がり、事がここまでに至った以上、久美子を大塚家具に残すことはできません。社員たちに申し訳が立たない。親としては苦渋の判断ではありますが、経営者としては社員を選ぶしかありません。

 ただ、家族の縁は切れません。親馬鹿だと言われるかもしれませんが、久美子が速やかに退任し、大塚家具の外で何か新しいことに取り組むのであれば、これまで同様に協力してあげたいと考えています。私は仕事一筋で、親としてはあまりかまってあげることはできませんでした。そんなこともあって、久美子は昔から親より友人の言うことを聞いてました。

 今はテレビなどを通じて見ることしかできませんが、久美子の健康を心配しています。

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